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リンガーハットが女性客に愛される理由は野菜にあった!

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「長崎ちゃんぽん」を全国どこでも手軽に食べられる唯一のお店「リンガーハット」ちゃんぽんのファストフードとして人気を集めているチェーン店ですが、今や女性のお客さんばかりが目立つようになりました。女性客のハートを掴む秘訣は何なのか?調べてみました。

 

 

 

 

長崎ちゃんぽん・リンガーハット

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リンガーハットジャパン

 

リンガーハットジャパン 株式会社

  • 所在地: 長崎県長崎市鍛冶屋町6番50号
  • 設立: 平成18年9月
  • 代表者: 代表取締役社長 杉野 隆宏
  • 資本金: 1億円
  • 事業内容: 長崎ちゃんぽんの専門店としての飲食店の運営

 

創業以来の大赤字が転機に!

2009年、リンガーハットは創業以来の大ピンチを迎えました。その赤字額はなんと、24億3400万円!デフレの影響で価格競争が勃発し、割引きクーポン戦略も裏目に出てしまい、米濱会長が社長に復帰。2009年の赤字額は特別損失を計上した数字、米濱会長いわく「悪い膿を出し切る決断」だったようです。

米濱会長が打って出た改革は「野菜」。リンガーハットでは野菜を輸入品で賄っており、当時、中国で食品から有害物質が見つかったりと「食の安全」が脅かされた時期でもありました。

これを機にリンガーハットでは「野菜の完全国産化」に踏み切ります。国産化で増えた野菜の年間仕入れコストは10億円を超えるまでに。デフレ真っ只中、ちゃんぽんの価格を450円から550円に値上げを強行!

 

さらに新メニュー「野菜たっぷりちゃんぽん 650円(当時価格)」をリリース!

  • 野菜の量は通常のちゃんぽんの2倍
  • 1日に必要な野菜摂取量350gを上回る480g
  • 2種類のドレッシング(しょうが & 柚子胡椒)

 

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[国産野菜 + ボリューム + ヘルシー + ドレッシング]の組合せで、女性を中心に800万食売り上げるベストセラーとなりました。

大量の野菜を飽きずに食べられるように、2種類のドレッシング(しょうが、柚子胡椒)が添えられ、野菜を様々な味で楽しめる点が女性客を虜にしています。

 

 

国産野菜へのこだわりが徹底している

デフレ時代にコスト高でもある「国産野菜」への切替は大胆なチャレンジでもあり、価格重視路線から品質重視路線への決断と実行力、そして執着心による賜物であることは間違いありません。その「野菜革命」のこだわりとは。

 

キャベツは冬キャベツのみ

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リンガーハットで使われているキャベツは、すべて冬キャベツのみ。

  • 春キャベツ: 葉肉が柔らかく甘みが強い(3〜5月)
  • 冬キャベツ: 葉肉が厚く食感が良い(11〜2月)

キャベツは食感を重視し春キャベツは使いません。通常、冬キャベツが収穫できる次期は11月〜2月ですが、リンガーハットでは全国72ヶ所の農家と契約し1年を通して冬キャベツを確保することが可能。その契約農家さんである「バルーンキャベツ」では、25種類の品種を組み合わせ11月から7月初旬くらいまで、リンガーハット用に冬キャベツを作る体制を構築。

 

食感を重視しながらも「甘み」に対する妥協はしません。

食感を重視すると、キャベツの甘みは減ってしまいます。特に冬キャベツは糖度4度が一般的なのですが、リンガーハットでの社内基準は…

  • 冬場: 糖度7度以上
  • 夏場: 糖度6度以上

この厳しい社内基準はキャベツの甘みがスープの味を左右するため、食感と甘みという相反する難題をクリアした究極のキャベツしか使われていません。

 

 

 

もやしは完全自社栽培

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 もやしは環境の変化や細菌に弱く供給が安定しない野菜。毎日大量に消費する「もやし」だけに供給に不安を抱くことはマイナスしかありません。

リンガーハットのセントラルキッチン富士小山工場、佐賀工場の2ヶ所で、35年前から毎日9トンもの「もやし」を自社収穫しています。

自社栽培に移行した理由は「供給の安定化と大幅なコストダウン」です。

もやしのサイズにもこだわり、通常よりも太めな「3mm」もやしを栽培しています。これは、ちゃんぽんとの相性を考慮した結果です。

 

キクラゲの国内自給率を押し上げた!

リンガーハットのちゃんぽんにはキクラゲが外せませんよね。実は2009年まで「細切り」にした輸入品を使用していたのですが、その翌年からキクラゲが消えていたことをご存知でしょうか?

「野菜の完全国産化」に踏み切った2009年…

国内でのキクラゲ生産割合は「輸入品99.1%、 国産0.99%」と、国内自給率が1%にも満たなかったため、国産キクラゲを400店舗分確保することができず、ちゃんぽんからキクラゲを外すことを決定。

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その後、米濱会長自ら全国のキノコ農家に交渉し、苦節6年を経て国産キクラゲの提供を開始。しかも以前の細切りではなく、お客様にキクラゲの歯ごたえを楽しんでもらうため細切りにせず丸のまま提供することを決めました。

米濱会長の努力で、1%にも満たなかったキクラゲの国内自給率を、なんと6%まで上げてしまうという偉業を成し遂げているのです。

 

 

 

セントラルキッチンで作るチャーハンマシン

セントラルキッチンで作るチャーハンは、自社製手作りマシンが大活躍しています。まさかの家庭用炊飯器がズラーーーーっと60台並ぶという光景が!

 

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炊飯器には、お米、出汁、油、具材などを入れ焚き上げます。

チャーハンを作るレーンは60分で1回転すると、チャーハンが炊き上る仕組み。なぜ、わざわさ家庭用炊飯器を使うのかというと、大きな釜で作るより小さな釜で作るほうがムラなく全体的に炊き上がるとのこと。

この自社製チャーハンマシンを使うことで毎日、400店舗分(8000人前)のチャーハンを、たった1人で作ることが可能に。

 

 

 

さいごに

2009年の大ピンチをチャンスと捉えた米濱会長。デフレと真逆の戦略で、野菜の品質にこだわり「食の安全、安心」を第一に考えながらも、野菜を2倍にする新メニューで業績はV字回復をはたしました。今ではフードコートからのオファーが凄いようです。今後の新メニューも楽しみですね。