カツ丼が 490円!と破格の安さで食べられるのに、毎回100円クーポン券が貰え、実質 390円でカツ丼が食べられる無限ループにハマる人々が続出!夕方からは、揚げ物のテイクアウトで売れまくる!とんかつチェーンをご存知でしょうか?近年、驚異的な売り上げを伸ばしている「かつや」の人気に迫ります。
とんかつ「かつや」
2006年に現社長である臼井社長就任以来、右肩上がりの業績を上げ、2018年には社長就任時の約4倍もの売上をあげるまでに成長した「かつや」、業界ナンバーワン!店舗数も独走状態です。
-
かつや: 449店舗
-
とんかつ松のや: 194店舗
-
とんかつ和幸: 155店舗
同業他社とここまで差がつく理由は「美味しくて、安い!」という相反する特徴を両立することで、他との差別化を図っています。
「かつや」人気商品ベスト3
第3位 豚汁定食
柔らかなヒレカツと、各店舗で手作りする野菜たっぷりの大きな豚汁、野菜をたくさん食べたいサラリーマンに人気!
第2位 ロースカツ定食
サックサクの衣、肉厚でジューシー、食べ応えのあるロースカツが大人気!
第1位 カツ丼
濃いめのタレと豚肉が絶妙なバランス!安さだけではなく、美味しいと評判!1日に約5万食売れるナンバーワン商品!
安さを実現するために廃止したこと
一般的なとんかつチェーン店が行なっている常識を廃止。その反面、常に同様のクオリティーで提供するための設備にコストをかけることで「美味しくて低価格」を実現させています。
とんかつ屋の常識を廃止
- 漬物の小鉢を廃止
- からしの皿盛りを廃止
- キャベツの飾り人参を廃止
- ご飯やキャベツのおかわりを廃止
漬物、からしに関しては、嫌いな人もいるので必要な人だけに提供するスタイルに変更しコストカットと食品ロス軽減に。
ごはんやキャベツのおかわり自由は、おかわりしない人を優先。追加する場合は別途料金とすることで、全てのお客様に平等且つ、低価格で提供できるようになりました。
この変更により…
- ロースカツ定食 変更前:780円 → 変更後:690円
- ヒレカツ定食 変更前:880円 → 変更後:790円
このように、定食を90円も安く提供できるようになりました。
職人依存を廃止
有名とんかつチェーン店では試験に合格しなければ、とんかつを揚げられない店もあるほど、とんかつを美味しく揚げることは大変です。
そこで「かつや」では、一定の時間、温度で揚げることができる「かつや特注オートフライヤー」を開発し全店舗に導入!これにより職人に依存することなく、誰が揚げても、職人の技にも引けをとらない仕上がりを実現。
かつや特注オートフライヤーの特徴は…
- サクサク感を出すよう、衣の剣立ちを壊さない
- 油の温度は常にコントロールされている
- 油の交換が不要
通常のフライヤーは、使用に比例して油が汚れ酸化してしまうため、油は1日2回交換する必要がありますが、かつや特注オートフライヤーの場合、酸化マグネシウムで酸性になった油を中性に戻し、さらに二酸化ケイ素で油の汚れを取り、元のキレイな色にし新品同様の油となるため、油の交換は不要。無駄なコストと労力を節約できるようになりました。
豚肉の冷凍輸送を廃止
アメリカ、カナダ産の豚肉を使用するため、豚肉を船便で冷凍輸送していましたが、冷凍を廃止し、すべてチルド輸送に変更。
チルド輸送のメリット❶
冷凍輸送の場合、-15度以下を常に保たなければならないが、チルド輸送ならば、-5度〜5度を保てばよいので、冷凍より輸送燃料の使用を抑えられコストダウンに成功。
チルド輸送のメリット❷
輸送期間が長ければ長いほど酵素が働き旨み成分が増加し豚肉が熟成され、グルタミン酸と呼ばれる旨み成分は7倍くらいに増えます。
冷凍肉は解凍した時にドリップとして旨み成分が出てしまうが、チルドであればドリップが少ないので旨み成分があまり減らない。このように約1ヶ月もの長い船旅で熟成され、旨みのある美味しいとんかつを提供できるようになりました。
さいごに
単なるコストカットではなく、より良い商品を提供できるために行なうコストカットにより、安くて美味しいカツ丼や、とんかつを提供できるようになりました。他にも来店する度に貰えるクーポン券は今流行りのアプリではなく紙のまま。財布からポッと出せる手軽さと、知り合いも気軽に渡せる手軽さがウケています。サイズ表示を「特大、大、並 」から「松竹梅」に変えたり、毎月変わる限定メニューの奇抜さなどで、お客様を飽きさせない工夫がリピーターを増やす要因になっているようです。